「目は口ほどにものをいう」ということわざがあるように、人の目の動きをみると、何を考えているのか、わかることがあります
視線が「上を向く」ときは視覚的なイメージをしていて、「横に動く」ときは聴覚を使って考えています。そして視線が「下を向く」ときは内的対話(ひとり言や脳内会議)か、もしくは視覚・聴覚以外の身体感覚の情報を考えています
心理学では視線の動きを観察することを、相手の心を知る方法のひとつとしています。
視線と目の動きについて、くわしく説明します。
もくじ
視線の動きで相手の心理がわかる

右上に視線が動くときは、視覚的に想像しているときです
今まで見たことのないモノや、経験したことのないコトのイメージを映像化しようとしています
事実ではないことを話しているとき、すなわちウソをついているときに右上を見てしまうのです
ただし、未来のことを想像してしゃべるときも、ほとんどの人は右上を見ます。これはウソではなくまだ体験していないことをイメージしているからです
過去の出来事を話すときに右上を見ていたら要注意!あなたにウソをつこうとしているのかもしれません。
左上に視線が動くときは視覚的な記憶を思い出しているときです
記憶をたどり、過去の体験を思い出そうとしています
きのう食べた食事の内容、懐かしい友人の顔を思い浮かべるときに、左上を見ながら記憶をたどるのです。
視線が右横に動くときは、聞いたことのない音を創造しています
「このネコがしゃべったらどんな声かな」
とイメージしたり、聞いていない話を作り出すとき、つまりウソを付くときにも右を見ます。
視線が左横に動くときは、すでに知っている音を記憶の中から思い出しています
「母親の声はどんな声だったか思い出してください」
「はじめて買ったCDはどんな曲でしたか?」
など質問されたときです。
視線が右下に動くときは、身体感覚(味覚・嗅覚・感覚)の情報を思い出しています
「温泉につかったらどんな気分?」
「バラの香りを思い出して?」
など、五感を刺激する質問されると右下を見て考えます
さらに、体験したことのない感覚をイメージするときも視線が右下に動きます
「くもの上で食事をするときはどんな感じ?」
など、質問されたときなどです。
視線が左下に動くときは、内的対話(ひとり言・脳内会議)をしています
左下を見ているときは自分自身のことを考えていると判断します。自分自身と対話して「あのときの対応は良かったのだろうか?」などと思い返しているかもしれません
また、会話中に左下を見ているときは
「今聞かれていることにどうこたえる?」
「本当のことを言ってもいいのだろうか?」
など自分自身に質問しているのです。
目の動きでわかる相手の心理

相手の視線を避けたいと思っていたり、緊張や不安の高さを示しています
かくしたいことや、ふれられたくない話題のときに、まばたきの回数が増える可能性が高いです
また、何かを真剣に考えているときは、まばたきが少なくなる傾向があります。
興味のある対象(人・モノ)を見ているときに瞳孔が開きます
これは、好意を表す無意識の身体的反応です
好きな人や、興味のあるモノを前にすると、キラキラした瞳になりますよね
この瞳孔がひらく反応は自律神経なので自分でコントロールすることはできないのです
また、本当に興味があれば、もっとよく見てみたいと思うのが人間の心理です
このように、相手の関心度合いをはかる目安にします。
自分の話を伝えたいとき、目を閉じることによって周囲からの影響を遮断し、話すことに集中しています
頭の中でよく整理して話そうと、自分を落ち着かせるためとも言われています。
視線が右上に動いたらウソをついている?

心理学では嘘をつくときに右上や右横を見ると言われています
なぜでしょうか?
右上を見るということは、視覚的に記憶にないことを創造しているということであり、右横を見るということは聞いたことのない音を作り出そうとしているのです
つまり、作り話をしようとしているということになります
おそらく右上・右横を見る前に左下を見て脳内会議をしているはずです
- どんなお話を作ろうか「あーでもないこーでもない」(左下を見る)
- 創作イメージを膨らませる(右上を見る)
- 自分で作った話をする(右横を見る)
というわけで、人はウソを付くとき右上や右横を見るのです。

目の動きや視線など無意識の行動はウソがつけないのね
注意点としては
今までの説明は右利きの人を前提とした話です。左利きの人は左右を逆に見てください
視線や目の動きだけで、相手の気持ちがすべてわかるわけではありませんが
参考にしてみてください。